映 画 と 読 書  ボクは「独断と偏見」の固まり人間とか「天邪鬼に眼鏡」
 等と罵詈雑言を浴びせられている。
 誰もボクの評価や批評には耳を傾けない。
 でもボクにも作品の評価や批評をする権利はある。
 
   推理小説やハードボイルドの結末を書いてしまうというようなバカなことはしない。
   でも批評の性質上、ある程度ストーリーの内容に触れざるを得ないこともある。
   それがイヤな方は読まないで下さい。

  

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急 告  「オマエは何を観ているのだ」 「人並みの感性を持っているのか」 「◎はないのか」 
の抗議メール殺到につき(そうでもないか) 急遽◎特集 「鮮烈の残像」 をリンクさせました。


030217 映画(映画館)    戦場のピアニスト   2002 ポーランド/仏                   監督: ロマン・ポランスキー
エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/フランク・フィンレイ/モーリーン・リップマン/エド・ストッパード

   昨日封切ったばかりのこの映画はこれから見に行く方が多いに違いない。だから評価は差し控えた方が良いだろう。
  あの「死と処女」を始め、数々の名作を送り出したポランスキー監督ということで大きな期待を抱いて見に行ってきた。
  
  人間が、同じ人間に対してなぜこんなことが出来るんだと思ったが、たった六十年前の話だ。いま世界はまさにこういう
  状況を再度繰り返そうとしているのではないだろうか? ということだけ書いて、○×も止めて置こう。


030217 読書       女王陛下のユリシーズ号   アリステア・マクリーン (訳;村上博基)   ハヤカワ文庫   1986/06/15  十五刷
                                                                          

何度か書いていると思うが、いままでの生涯のベストワンを挙げろといわれれば、映画では「人間の条件」(小林正樹監督、仲代達矢主演)。本でも突出して「人間の条件」(五味川純平)である。全六巻の長大な本を三回も読んでいるし、十二時間におよぶ映画も少なくとも二回は完走した記憶がある。

しかしちょっともう一度読み返すエネルギーはない。むかし感動した本で読み返すとなるとアリステア・マクリーンか、ディック・フランシスか、フレデリック・フォーサイスか。

これらの作家の本はほぼ全作といってよい位読んだし、わが書棚に収まっている。ただしいずれもハードカバーであり、持ち歩くにはちとキツイし、いくら黴が生えているとはいってもこれらの本はバラバラ紙体にするのは忍びない。さて・・・と思案している折しも社ダチがこの本の文庫本を古本屋で百円で仕入れて来てくれた。

マクリーンの処女作、彼の過半の作品が面白いが中でもこれは別格だ。約四十年前、興奮し、うるうるしながら一気呵成に読み上げた本である。

三十二隻の船団が北大西洋をイギリスからソ連へ向けて。ユリシーズ号はその輸送船団の護衛艦の中の一隻。襲い来るドイツ潜水艦と爆撃機、それ以上に恐い氷塊となって降りかかる嵐の海。スケート場のようにツルツルの甲板。
ユリシーズ号のヴァレリー艦長以下、荒ぶる男たちの運命やいかに、というハイテンポのストーリー。

しかし一気呵成に読み上げた三十年前との比較でいえば、読了までに随分時間がかかってしまったというか、途中で中だるみした日数もある。やはり感性の終焉現象か。往時の文句なしの◎とはいかないが、青春時代の熱狂の思い出に敬意を表して ○。


030211 映画(映画館)    レッド・ドラゴン   2002 米                              監督: ブレット・ラトナー
アンソニー・ホプキンス/エドワード・ノートン/レイフ・ファインズ/ハーヴェイ・カイテル/エミリー・ワトソン

      昔見た「羊たちの沈黙」はまずまずだったと記憶しているが、「ハンニバル」はあまりにも周囲の評判がひどかった
    のでパスした。見ていないのに偉そうなことはいえないが、解説を読むとハッキリは書いてないが、ニュアンスとして
    「ハンニバルの失敗に懲りて、今回の脚本は“羊たちの沈黙”のテッド・タリーを再度起用」というようなことが書
    いてあった。先日の「壬生義士伝」でも書いたが、いまさらながら脚本の重要性ということを再認識した。○。


030211 映画(映画館)    十三階段   2003 東宝                                      監督: 長澤雅彦
反町隆史/山崎努/笑福亭鶴瓶/田中麗奈/宮藤官九郎/宮迫博之/大杉漣

      刑務主任の男と仮出所中の青年が、死刑囚の冤罪を晴らすために真実に迫って行くミステリー。見出した時は先日読ん
    だ本の「半落ち」とイメージがダブったが、社会派ミステリーとはいえないし、ただひたすらに重くて暗い。
    呆気無さ過ぎる無理な結末で △。


030211 映画(映画館)    アレックス   2002 仏                                  監督: ギャスパー・ノエ
モニカ・ベルッチ/ヴァンサン・カッセル/フィリップ・ナオン/ジョー・プレスティア/アルベール・デュポンテル

     ノーマークの映画だったが、帰社途中で前を通りかかったら開演を告げるベル。ふと見るとモニカ・ベルッチ主演とある。
    彼女の裸体美みたさだけで鼻の下を伸ばしてふらふらと。
     カンヌ映画祭で衝撃を呼んだ問題作だそうだ。
    カンヌだかゲージツだか知らんが、映画ってここまで難解・不可解にして良いものなのか。 ×。


030211 映画(映画館)    トランスポーター   2002 仏                                監督: ルイ・レテリエ

ジェイスン・ステイサム/スー・チー/マット・シュルツ/フランソワ・ベルレアン/リック・ヤン/ダグ・ランド


    運び屋のフランクは、どんな危険物でも正確に確実に目的地に届けるスゴ腕のプロ。ある日、犯罪組織が彼にある依頼品
    を託すが、それは縛られた若い女性だった。成り行きで彼女を助けてしまったフランクは、犯罪組織に追われる身となり…
    というストーリーで △。


030201 映画(映画館)    ボーン・アイデンティティ   2002 米                           監督: ダグ・リーマン
マット・デイモン/フランカ・ポテンテ/クリス・クーパー/クライヴ・オーウェン/ブライアン・コックス

      失った記憶を取り戻すべくもがく主人公。所持品から特殊任務に就いていた身と感じた彼は危険を感じとりアメリカ
    大使館に駆け込むが、そこで彼を待っていたものは・・・。

    原作はあのハード・ボイルドの名作を数々世に送り出したロバート・ラドラムの「暗殺者」とあってはいやでも期待
    は大きい。しかし原作もそうだったが煩雑で難解。その辺の所を映画がクリアにしてくれると思ったのだが・・・。
    期待が大きすぎた分も手伝って ×。


030201 映画(映画館)    ゴースト・シップ     2002 米                             監督: ステーブ・ベック
ジュリアナ・マグリース/ガブリエル・バーン/ロン・エルダード/アイザイア・ワシントン/アレックス・ディミトゥリアデス
     
    1962年、乗客のほとんどか命を落とすという悲劇に見舞われた豪華客船が大海原で消息を断った。40年後、サル
    ベージ船のクルーが金目当てで、この船を探り当てる。
    ところが無人の船内では、恐ろしい悪霊が彼らを待ち受けていた!
     
    というストーリーの
多分「B級」ホラー映画だが、それにしては適当に恐い。
    少なくとも見ている間退屈だけはしないということで △。


030124 映画(映画館)    夜を賭けて     2002 日韓合作                                   監督: 金守珍
山本太郎/ユー・ヒョンギン/樹木希林/李麗仙/清川虹子/唐十郎/奥田瑛二/風吹ジュン
     
      1958年、大阪の在日朝鮮人集落のスラム。食って行くためには手段を選べない。毎晩のように夜中になると目の前
    のどぶ川から舟を漕いで対岸に出かけて行く。そこは戦時中の兵器工場跡の国有地。日本の官憲の目を盗んで鉄くずを
    掘り返しては持ち帰って換金、その日の飲み代にしてドンチャン騒ぎとケンカの夜。大砲の砲身などを掘り当てようも
    のなら大変である。酒と肉と女と大ゲンカ。そのくせ強い連帯感に結ばれている。


      しかし日本の官憲の差別と弾圧はますます強まっていく。その日本官憲の中にも一人だけ、彼らを人間として認める人
    物がいた。クライマックスの乱闘シーンで主人公の朝鮮青年が彼にいう。「あんたのような人は日本人の中の十万人に
    一人だ」と。彼がつぶやき返す。「きっといつかは仲良くなれる」と。

    それから半世紀を経た今の時代、この現状。一体作者はどんな想いを込めてこのセリフを書いたのだろうか。
      しかし「J.S.A」といいこの作品といい、韓国映画からも目が離せなくなってきたぞ。◎。


0301113 映画(映画館)    T.R.Y.     2003 東映                                 監督 :大森一樹
織田裕二/渡辺謙/黒木瞳/ピーター・ホー/松岡俊介/市原隼人/今井雅之/丹波哲郎
     
     二十世紀初頭、舞台は上海。日本陸軍を相手に壮大なペテンを仕掛ける青年ペテン師の物語。シナリオをもっと単純に真っ直ぐ
     にスッと書いて欲しい。ぐちゃぐちゃと紆余曲折を描くな。そうすればも少しましになったかもしれない。
     大体どんでん返しなどというのも、九回も十回も連発されたら、どれが「どんでん」で、どれが「返し」かわからなくなる。 ×。



0301121 映画(映画館)    壬生義士伝     2002 松竹                                監督 :滝田洋二郎
中井貴一/佐藤浩市/三宅裕司/中谷美紀/夏川結衣/村田雄浩/塩見三省
   
   文句なしの ◎。非の打ち所のない ◎。
     とてもこのスペースには書けない。 「迷走録 030121」 を参照されたい。


0301118 映画(映画館)    マイノリティ・レポート     2002 米                  監督 :スティーブン・スピルバーグ
トム・クルーズ/コリン・ファレル/サマンサ・モートン/マックス・フォン・シドー/ロイス・スミス/キャサリン・モリス
   
   2054年、未来の殺人を予見する新システムの法案が可決しようとしていた。そんなある日、その捜査官ジョンは、
   身に覚えのない他人の殺害事件を起こす罪で、逆に追われる立場に。彼は逃亡を続けながら真相を探るが・・・。

     というストーリーだそうだが、これを読んでから行ったがワカラン。 スピルバーグ作品って、何でこんなに天地差が激しいのだ。×。


0301113 映画(映画館)    T.R.Y.     2003 東映                                 監督 :大森一樹
織田裕二/渡辺謙/黒木瞳/ピーター・ホー/松岡俊介/市原隼人/今井雅之/丹波哲郎
     
     二十世紀初頭、舞台は上海。日本陸軍を相手に壮大なペテンを仕掛ける青年ペテン師の物語。シナリオをもっと単純に真っ直ぐ
     にスッと書いて欲しい。ぐちゃぐちゃと紆余曲折を描くな。そうすればも少しましになったかもしれない。
     大体どんでん返しなどというのも、九回も十回も連発されたら、どれが「どんでん」で、どれが「返し」かわからなくなる。 ×。



030112 読書       半落ち          横山秀夫                               轄u談社 2002/12/06  五刷
                                                                          


新年早々、物凄い本を読んでしまった。昨夜から今朝にかけて・・・。
痛い目を揉んだり冷したりしながら三百ページを一気読み。

エリート警官が妻を絞め殺す。アルツハイマーの妻の病状がますます悪化して、泣きながら「殺してくれ」と頼まれての嘱託殺人。翌日と翌々日の二日間の休暇を取って三日後に自白する。

自白の内容は完璧。取り調べの刑事は「完全に落ちた」と思った。
しかし補足で聞いた 「なぜ直ぐに自白に来なかった?」 の空白の二日間。
被疑者は完全黙秘。これでは半分しか落ちていないので 「半落ち」。

刑事・新聞記者・弁護士、等々の六人がこの空白の二日間を追う。その間に展開される検察庁と警視庁の醜い縄張り争いと取引。正義と真実を追う人間が、組織と保身に圧殺されて行く哀しさ。底流を流れるヒューマニズム。
いやあ、凄かった。因みに本の先生の社ダチは、次回「直木賞」間違いナシと断言していたが。

文句ナシの◎というより、早くも本年のベストワンで、次からの読書の楽しみを奪われたかもしれない。
責任を持ってお薦め本である。


030109 読書       壬生義士伝(下)          浅田次郎                         文春文庫 2002/09/10  一刷
                                                                          


上巻の時にも書いたが、構成は「天切り松闇がたり」。ただ「天切り松」の場合には明治の実在の人物達、例えば山縣有朋や永井荷風との出会いを天切り松が千一夜物語風に語っていくのに対して、こちらの方は一人の聞き手が(この聞き手の意外な正体は終章で明らかになる)新撰組隊士吉村貫一郎の生涯を取材するために、明治に入ってから新撰組の生き残り(例えば斉藤一)や関係者に彼の話を聞きだし、段々と吉村の全体像を浮かび上がらせていくという手法。

上巻段階では吉村の半身位しか明瞭にならなかったために、若干イラツク部分もあったが、下巻に突入して忽然と吉村の魅力の全体像にスポットが当りだす。力作・大作である。

ただし昨年末までに読了の予定であったが、だらだらの大型連休のため、一気読みしなかったのが残念。
浅田は短編にこそその真髄があるという見解には変わりないが、これは○。


030102 映画(ビデオ)    シックス・センス     1999 アメリカ                   監督 :M・ナイト・シャマラン
ブルース・ウィリス/ハーレイ・ジョエル・オスメント/トニー・コレット
     
     二年半前に見た映画の再見である。 その時の小生の評は下記の通り。       
??? ×。で簡単に済まそうと思ったが、念のためと思って見終わった後でWEB検索をかけてビックリ仰天!読み切れないラッシュ!おまけにオスカー6部門ノミネートだと!!確かに子役の演技だけはうまくて感心した(フォレストガンプに出ていた子役ということもWEBで初めて知った)が、助演男優賞にノミネートされている上、昨秋この映画のキャンペーンでブルース・ウィリスと共に来日。堂々の記者会見まで開いたそうだ。WEB上の解釈も各人各様で姦しいことこの上ない。

やっぱり私は決定的に映画を観る上での理解力が不足しているのだろうか。WEBを読んでから観れば多少は分かったのかも知れない。 
 しかし「独断と偏見」のコンセプトを放棄するわけには行かない。恐る恐る×。

その後、二年半の長きに渉っていまだに言い続けられている。 
「シックス・センスが理解出来なかったあんたには、今度のこの映画は無理。お薦めしません」。 悔しいではないか。
最初のテロップでものものしく 「結末は誰にも教えないで」 と流れるが、結末が分かってから見ればいくら小生でも理解できるかと思って、正月休みを期に再チャレンジしてキチンと鑑賞した。

この映画を評価した方々、そして小生をバカにする方々。 ホントにこの映画って良いのか?
更なる軽蔑の眼差しの槍衾を浴びることを覚悟して叫ぶ。 「王様は裸だあっ!!」。 ×。


030101 映画(ビデオ)     A.I. (2001 米)                                監督 :スティーブン・スピルバーグ

ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジュ―ド・ロウ/フランシス・オーコナー/ブレンダン・グリーゾン/ウィリアム・ハート


いまごろと思われるかもしれない。実は公開された時はチェックしていたのだ。しかし映画評に関しては信頼筋の何人かの方がボロクソにけなした。そうなのかなと思って見に行かなかったし、ビデオになってもパスしていた。

ところが年末にやはり映画評に関しては信頼できる筋のダチから「最近の感動作」として推薦された。
「とっても哀しい映画でした」と。

まあ正月休みは絶好のチャンス。自分の眼で確かめるべく、レンタルしてきた。
モチーフはピノキオ。何としてでも人間になりたいロボット少年。
自分達で作り上げた文明を自分達の手で破壊していく愚かな人間に対する文明批判。


海底に沈んだマンハッタンの荒涼たる景色は「猿の惑星」のラストシーンを思い出させた。やや冗長。
特に無理矢理ハッピーエンドに持ち込みたかったかの観のあるラストの十分余は無くもがなとは思ったが ○。
映画館で観るのだった。

周囲で不評のためパスしようと思っていた「マイノリティ・リポート」。急いで見に行かずばなるまい。