モンゴルの羊肉料理「チャンサンマハ」の作り方|骨付き肉を塩ゆでする伝統レシピ
骨付きの羊肉を、大きな塊のままじっくりとゆでるモンゴル料理「チャンサンマハ」。
複雑な味付けや調理工程はありません。羊肉、水、塩を基本に、骨付き肉から出る旨味を生かして仕上げる、モンゴルを代表する羊肉料理です。
今回は、実際にモンゴルを訪れ、遊牧民のゲルで教わったチャンサンマハをもとに、ご家庭でも作りやすいレシピをご紹介します。

チャンサンマハとは
「チャンサン」は「ゆでる」、「マハ」は「肉」を意味します。
その名のとおり、骨付きの羊肉を水と塩でゆでる、非常にシンプルな料理です。内モンゴルでは「シュウパウロウ」とも呼ばれています。
現地で教わった作り方では、使うものは屠畜したての骨付き羊肉、水、岩塩だけでした。
骨付きの塊肉をじっくりゆでることで、肉の旨味に加えて、骨のまわりにあるゼラチン質や髄の風味が煮汁へ溶け出します。
味付けがシンプルだからこそ、羊肉そのものの味をしっかりと楽しめる料理です。


チャンサンマハの材料
約3~4人分
- 骨付き羊肉:約1kg
- 水:3リットル
- 塩:30g
- 長ネギ:1本
- 生姜:20g
本場のチャンサンマハは、基本的に羊肉、水、塩だけで作ります。
長ネギと生姜はなくても大丈夫です。
チャンサンマハの作り方
1.骨付き羊肉を水でしっかり洗う
骨付き羊肉を、たっぷりの水でざぶざぶと洗います。
ここが、このレシピの大切なポイントです。
骨の切断面などに付着している細かな骨片や血を洗い流します。表面だけを軽く流すのではなく、水を替えながら丁寧に洗ってください。
洗い終わったら、水気を切ります。
2.鍋に羊肉と水を入れる
大きめの鍋に、洗った骨付き羊肉と水3リットルを入れます。
肉が水から大きく出てしまう場合は、肉がある程度浸るように鍋の大きさや水の量を調整してください。
3.弱火で加熱してアクを取る
鍋を火にかけ、アクが出てきたら丁寧に取り除きます。
グラグラと激しく沸騰させず、表面が静かに揺れる程度の弱火を保ちます。
強く沸騰させると煮汁が濁りやすく、肉も締まりやすくなります。時間をかけて静かに煮込むのがポイントです。
4.長ネギ、生姜、塩を加える
アクをある程度取り除いたら、長ネギと生姜を加えます。
塩30gは一度に全部入れず、3回に分けて加えます。
味を確認しながら少しずつ加えることで、塩味を調整しやすくなります。
煮込みによって水分が減ると塩味が濃くなるため、最初から強い味にしすぎないようにしてください。
5.1時間~1時間30分ほど煮込む
沸騰させない程度の弱火で、1~1時間30分ほどじっくりと煮込みます。
肉の大きさや部位によって、必要な加熱時間は変わります。
骨のまわりまで火が通り、肉がやわらかくなったら完成です。かたい場合は、様子を見ながらさらに加熱してください。

チャンサンマハの食べ方
ゆで上がった骨付き羊肉を大皿に盛り付けます。
現地のように骨付き肉を手で持って豪快に食べてもよいですし、ナイフで肉をそぎ落として取り分けても構いません。
まずはタレを付けず、塩味だけで食べてみてください。
骨付き肉ならではの濃い旨味と、羊肉そのものの香りを楽しめます。


羊肉に合う香味ダレ
しょうゆをベースに、生姜、にんにく、長ネギ、香菜を加えた、香りのよいタレです。

香味ダレの材料
- しょうゆ:90ml
- みりん:90ml
- 酒:90ml
- 酢:90ml
- 生姜:20g
- にんにく:20g
- 長ネギ:1/2本
- ごま油:大さじ1
- 香菜:少々
香菜が苦手な場合や手に入らない場合は、三つ葉やパセリでも代用できます。
香味ダレの作り方
1.調味料を加熱する
鍋にしょうゆ、みりん、酒、酢を入れて混ぜ、一度沸騰させます。
沸騰したら火を止め、そのまま冷まします。
2.薬味を刻む
生姜、にんにく、長ネギをみじん切りにします。
香菜も食べやすい大きさに刻んでおきます。
3.すべてを混ぜる
冷ました調味液に、生姜、にんにく、長ネギ、ごま油を加えてよく混ぜます。
最後に香菜を加えれば完成です。
香味ダレはたっぷりできる分量です。余った場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存し、早めに使い切ってください。

残った煮汁も楽しめます
骨付き羊肉をゆでた後の煮汁には、肉と骨から出た旨味がたっぷりと残っています。
捨てずに、スープとして活用してください。
現地では、小麦粉を使ったワンタンのような料理を入れたり、おじやにしたりして食べます。
家庭では、次のような料理に使えます。
- うどん
- ラーメン
- 雑炊
- ワンタンスープ
- 野菜スープ
煮汁は濃いので、そのまま使わず、水を加えて味を調整してください。
長ネギや黒こしょうを加えるだけでも、羊肉の旨味を感じられるスープになります。


チャンサンマハにおすすめの羊肉
チャンサンマハには、長時間煮込んでも旨味が残る骨付きの塊肉が適しています。
なみかた羊肉店では、首から前足にかけての骨付き羊肉を、家庭用の鍋に入れやすい大きさにカットしてご用意しています。
よく動かす部位のため肉の味が濃く、じっくり煮込むことで骨のまわりまでおいしく食べられます。
商品には、モンゴル産岩塩「白き鷹」を付けることもできます。